頭大仏殿は行く価値がある!安藤忠雄の“大仏を目指す”建築体験【北海道】
頭大仏は行く価値あります!
頭大仏殿は、「行く価値があるか?」と聞かれたら、迷わず「ある」と答えたい建築です。
多くの大仏を見てきた方でも、
「大仏の頭を目印に歩き、大仏を“目指す”体験」
は、ここでしかできないと思います。
参道・水庭・トンネルを通して、少しずつ心の速度が調整され、最後に現れる大仏に向き合う。
その体験そのものが、ひとつの建築作品でした。

- 頭大仏殿が「行く価値のある場所かどうか」がはっきりわかる
- “建築体験”を事前に理解できる
- 建築の専門的な視点で見どころを知れる
- ベストシーズンや所要時間など、旅行計画に役立つ情報が得られる
- 「建築を旅する」楽しみ方を知ることができる
頭大仏の基本情報
場所
札幌市南区滝野2番地の真駒内滝野霊園内の一角にあります
行き方
- 徒歩、自転車
- 行けません
- 公共交通機関
- 車orタクシー
- ツアー(私が調べた限り)
- Klook https://www.klook.com/ja/
- 北海道体験 https://h-takarajima.com/
- Trip.com https://jp.trip.com/?locale=ja-jp
拝観時間
- 4月~10月 9:00~16:00
- 11月~3月 10:00~15:00
頭大仏殿拝観料
- 大人1名300円(小学生以下無料)
所要時間
- 頭大仏のみ
- 30分くらい
- 真駒内滝野霊園内(ストーンヘンジ・モアイ像等)
- 1時間くらい
頭大仏のベストシーズン
私が行ったのは11月でしたが、ラベンダーの時期(6月下旬から8月上旬まで)がおすすめです。
この建築はランドスケープ(造園、景観)として設計です。
15万株のラベンダーに頭大仏が覆われて完成されています。
建築については後半で詳しく書きますが、設計のこだわりポイントなので見に行くならラベンダーの時期が良いです。
行ってみた感想
新しい建築体験
参道を進むと、水庭(結界)が行く手をさえぎります。
水庭を迂回することで、先ほどまで見えていた大仏の足元は一度視界から消えます。
大仏の頭が見えている分、早く近づきたい気持ちになりますが、
その間に自然と歩みがゆっくりになり、トンネルへと導かれます。
静けさに包まれたトンネルを抜けると、光の中に大仏の姿が現れます。
視界が天に開けた瞬間、その存在感に圧倒され、
「聖域に入った」という感覚をはっきりと覚えました。
感動したポイント
駐車場から始まる、まっすぐではない屈折したアプローチがとても印象的でした。
象徴的な大仏であれば、一直線の参道で正面から向かわせることもできたはずです。けれど、ここではあえてそうしない。
遠くに“頭だけ”が見えたかと思うと、歩き始めた瞬間にその姿は視界から消え、参道へ入った途端、すべてが遮られます。期待が高まる一方で、すぐには近づけない。そのもどかしさが、気持ちを自然と大仏へ向けていきます。
そして、十分に歩かされたあとに現れる大仏の姿。
この一連の流れそのものが、感動するための「演出」なのだと感じました。
どこを見てほしいか 3つのポイント
まずは、トンネルの天井に広がるRC折板構造です。
規則的な凹凸が続き、無機質なコンクリートでありながら、表情のあるその姿は不思議と冷たさを感じさせません。
次に、水庭に映り込む空です。
天候や時間帯によって表情が変わり、足を止めて眺めたくなる場所です。
ここで一度気持ちが整えられ、先へ進む準備ができるように感じました。
最後には、頭しか見えない大仏の構図です。
全身を見せないことで想像力がかき立てられ、対面したときの印象はいっそう強くなり、見る位置によって表情を変える大仏と、ラベンダーに覆われた丘が周囲の自然に溶け込む風景は、人工的につくられたとは思えないほど自然で、建築とランドスケープが美しく調和したこの場所ならではの魅力だと感じました。
建築解説
安藤 忠雄(あんどう ただお)
- 1941年(昭和16年)9月13日 生まれ
- 日本の建築家
- 「住吉の長屋」(1976年)、「光の教会」(1989年)、「ベネッセアートサイト直島」(1992年)、「淡路夢舞台」(2000年)、「こども本の森 中之島」(2020年)などが代表作
- 光・水・コンクリートを扱う特徴
頭大仏が生まれた経緯
- 既存の13.5mの大仏があった 開園30周年の記念事業で、 “大仏の神秘性を高める”ための再構築事業でした
プロジェクトの概要
- このプロジェクトは、もともと平地にあった大仏を、ラベンダーの丘で包み込むように再構成する計画です。
- 約15万株のラベンダーを配植し、大仏の姿をあえて隠すことで、自然と調和した礼拝空間へと生まれ変わってました。
- 単に建物をつくるのではなく、参道や水庭、トンネルを含めた一連の体験を大切にした、礼拝空間の再生とランドスケープデザインを融合させた計画となっています。
建築家のねらい
- 結界:外界から切り離し、精神性を高めるてあります
- RCリブ構造:トンネルの天井に象徴性 アプローチの演出 見えない → 想像 → 初めて見る瞬間の神秘性があります
- 大仏を見上げる:奈良・鎌倉大仏との違い 最初から全身が見えない “仰ぎ見る”ために高さと距離を計算
安藤忠雄の言葉
- 頭大仏は全体が見えないため、見えないことによって想像力で見ることになる。北海道の美しい自然の中に感性があり、それが新しい創造力を生む。感動は大きな力、生きる力になる
- どこからでも全身が見える状態だった大仏を、神聖なものとして丘で覆い隠し、その神秘性を高めようとした
- 大仏の足下から頭を仰ぎ見ることで神々しさを感じられるようにした
まとめ:頭大仏は建築としても旅先としても、一度は見てほしい
頭大仏は、圧倒的なスケールを持ちながら、細部まで丁寧に設計された建築です。
建築好きはもちろん、旅先で「記憶に残る体験」を求める人にも、心からおすすめできます。
特に15万株のラベンダーに包まれる時期は、この場所の価値が最大限に感じられる季節です。
北海道旅行が急遽決まり、ずっと訪れたいと思っていた「頭大仏殿(安藤忠雄)」へ足を運びましたが、写真や言葉だけでは伝えきれないスケール感と空間の力が、確かにそこにありました。
この記事が、実際に訪れた人にしか味わえないその感動を、少しでも想像するきっかけになれば嬉しいです。
